九州大学病院心療内科 九州大学病院心療内科

九州大学大学院医学研究院 心身医学

Department of Psychosomatic Medicine Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University

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慢性疲労症候群

Q1. 慢性疲労症候群とは、どういった病気ですか?

 慢性疲労症候群は、生活に支障をきたす強い疲労が長期間持続する病気です。慢性疲労症候群の多くは突然疲労感が続くようになります。疲労感以外にもリンパ節が腫れたり、発熱や咽頭痛が認められ、上気道炎とよく似た状態です。しかし、慢性疲労症候群と診断するための検査は現在のところ存在しないため、旧厚生省の基準試案などの診断基準を用いて診断します。
 旧厚生省の基準試案により慢性疲労症候群と診断されるには「生活が著しく損なわれるような強い疲労が主な症状で、少なくとも6ヵ月以上の期間持続ないし再発を繰り返しているが、ほかの病気は認められないこと」が最低条件となります。さらに「1.微熱・悪寒 、2.咽頭痛 、3.首や脇のリンパ節の腫れ 、4.原因不明の筋力低下 、5.筋肉痛・不快感 、6.軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感 、7.頭痛 、8.腫れや赤みがない移動性の関節痛 、9.精神神経症状、10.睡眠障害、11.発症時、主たる症状が数時間から数日の間に出現 」のうち8項目以上を満たす場合、または6項目以上あり、「1.微熱、2.非浸出性咽頭炎、3. 首や脇のリンパ節の腫れ」の身体所見のうち2項目 以上を満たす場合、「慢性疲労症候群」と診断されます。

Q2. 慢性疲労症候群の原因は何ですか?

 慢性疲労症候群の原因としてウイルス感染、免疫機能の異常、神経や内分泌機能の異常、認知機能の低下などが示されてきました。今までにさまざまなウイルス感染が慢性疲労症候群の原因として挙げられてきましたが、感染だけでは説明できていないのが現状です。慢性疲労症候群の患者さんの多くはアレルギー疾患を有しているため、何らかの免疫の異常があると考えられています。また、慢性疲労症候群の患者さんの家族には、慢性疲労症候群を発症する危険性が高いという家族性または遺伝的要素の可能性も報告されています。このほかにも神経の異常や内分泌の異常が報告されているため、神経・免疫・内分泌のすべての要因が影響を及ぼしています。このように慢性疲労症候群の原因は1つだけに特定できるものではありません。そのため、慢性疲労症候群は遺伝的なものや神経や免疫や内分泌の異常や心理・社会的な要因を含めたさまざまな要因によって引き起こされた慢性的な疲労状態であると考えられています。

Q3. 慢性疲労症候群に特有な性格はありますか?

 慢性疲労症候群に多い性格としては、自分の感情に対して鈍感で自分の感情を表すことが難しい「失感情症」や「完ぺき主義」や「過活動」との関連が報告されています。また、成育歴における幼少時期の虐待やネグレクトは、精神疾患だけでなく慢性疲労症候群が発症する確率を上昇させる要因となる可能性が報告されています。また、慢性疲労症候群の患者さんは、一般の人と比較して精神疾患の割合が高いとの報告もあります。

Q4. 慢性疲労症候群の治療には、どのようなものがありますか?

 まず睡眠障害、乱れた食生活、過重労働、薬剤、喫煙、飲酒などの疲労を引き起こす可能性のある要因を除いたり、軽くなるように援助します。また、治療の当面の目標は「症状がなくなること」や「以前のように活動できること」としないで、「症状が少し軽くなって、ある程度の活動ができるようになること」など実現可能な目標を患者さんと話し合って設定しています。
 生活指導以外の治療としては、疲労や不眠などの症状に対してお薬を使ったり、自律訓練法などのリラクセーショントレーニングを行ったり、症状が続いている原因を患者さんと一緒に考えたり、家庭環境や職場環境の調整を行う場合があります。また、状況に応じて段階的運動療法(段階的に運動量を増加させるプログラムを作成して、徐々に一日の活動量を増やしていく治療法)や認知行動療法などの心理療法を行っています。

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