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座談会

CROSS TALK 02

これがやりがい!心療内科の魅力

MEMBER

  • 末松 孝文

  • 伊津野 巧

  • 大杉 康司

  • 平 加奈子

  • 田中 貫平

「病気を診る」ではなく「人を診る」

末松 たとえば疼痛を持っている方や、色々なところをドクターショッピングしてる人に対しても、ちゃんと向き合って治療できるというのは心療内科のアイデンティティ。もちろん2週間で完治するとか、この手術が成功したら治るとか、そういう類のものではありませんが、だからこそ自分たちにしかできない事のひとつだと思います。

私はまだ入局したばかりですが、「じっくり診れる」ということは大きなモチベーションです。もともと初期研修で内科に興味を持ったのも、生活習慣病や慢性疾患など、一生付き合っていかなければならない病気と向き合いたかったから。病気を抱えながらも、その人なりに楽しく生きていけるように。そういう意味で心療内科は、より核心に近いと思っています。

大杉 本当にそう思います。小児科医だった頃は、入院患者さんのほとんどは喘息や肺炎で、1週間くらいで元気になって退院して行く。だから、ここにきて最初の2ヵ月は、正直に言うと戸惑うこともありました。

末松 短期間で結果が出るものではありませんからね。

大杉 でも小児科でも、様々な病院を受診しても良くならないという患者さんはいて、そういう患者さんを診察する機会もありました。そこで自分なりに今までの経験から診療はしてはいましたが、効果が出ずにどうしたらよいのかわからなくなって…そういう経験から心療内科に来たので、今ここで、少しずつでも良くなっていく様子を見られるのは感動的だし驚いています。

田中 確かに。患者さんはみんな全然違う人生を歩んでいて、それを診させてもらって、今苦しんでいるところを一緒に良くしていく…このプロセス自体がすごい。単純にガイドラインをフォローするのではなく、それ以前のもっと大事なものを一緒に診る。いい職業だな、良い科だなと思いますね。

医学の枠組みを超え、人を科学する

末松 私は今、内科医として勤務しているんですけど、患者さんとの距離の取り方や、心療内科的な見方で背景を探ったりという過程でも、ここでの学びが大いに活きています。

大杉 心療内科はもっとも患者さんに寄り添う科だと思うので、他科とは距離感が違いますよね。難しいのは、小児科のように距離が近すぎても治療的には良くないと感じることもあって、まだ戸惑うこともあります。

田中 たしかに、どれくらいの距離感が治療的にいいのか難しいですよね。面接のことなどで迷ったときは、指導熱心な先生方が多いので、指導医以外の人にも相談しやすくて助かっています。

そう言う田中先生こそ、とても話しやすくて私はいつも相談させてもらってます。患者さんの入院期間も長いですし、カンファもじっくりやっているので、病棟の主治医や担当以外の先生も、全員が患者さんを把握してる。だから相談しやすいし、すぐにわかってもらえるというのは大きいですね。

伊津野 患者さんがなぜこう考えるのか、なぜこの行動をとるのか、その根源を考えると、無意識の話は避けて通れないと思うんですけど、そこを突き詰めていったら「人とは何か」みたいな話になりますよね。心療内科は結構バリエーションが広くて、医学の枠組みの中だけでは語れません。治療の経過も目的も千差万別。

田中 それを突き詰めて、ちゃんと結果に結び付けるのが心療内科ですね。人とは何かを考えながら、実際に患者さんがより良い人生を送っていくように、社会生活をよりよく生きていくためにどうすればいいのか、結果が求められる。

伊津野 人とは何か。そして最終的には、人はなぜ社会を創ってきたのか。人との関わりの中で生まれる病理があるから、それをどう突き詰めていくか。まさに人間の科学ですね。

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