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座談会

CROSS TALK 04

先輩たちからの本音メッセージ

MEMBER

  • 末松 孝文

  • 伊津野 巧

  • 大杉 康司

  • 平 加奈子

  • 田中 貫平

心療内科はフロンティア

伊津野 ズバリ、心療内科はフロンティアだと思います。やることがたくさんあって、分からないことがたくさんある。それを解明するのが使命。

末松 伊津野先生とまったく同じで、私もフロンティアだと思っています。エビデンスがない世界でエビデンスを作っていく。

伊津野 魔術と科学に少し似てますね。不可解な現象って、科学的に説明されたら科学だけど、なにも説明がなければオカルト。だから科学に落とし込むことが重要なんです。ブラックボックスが大きいからこそ、光をあてる面白さを知ってほしい。

末松 エビデンスに重きを置く人もいますけど、自分でエビデンスを見つけていくのは、想像以上にエキサイティングです!これはぜひ、後輩たちに伝えたいですね。

大杉 フロンティアでもあるけど、私は同時に最後の砦、誰も治せない人を治すことができる科でもあると思っています。しかもそれは神の手を持っている人だけが治せるんじゃなくて、九大の心療内科で学ぶことで、誰でも、自分でも、できるようになる。しかもその成長を自分で実感できる。これは他の科にはない魅力だと思います。

伊津野 大杉先生…すごくいい言葉ですね!基本にあるのは治療的な信頼関係ですよね。信頼関係をうまく構築する中で患者さん自身が持っている、「自分で治っていく力」が上がっていく。

信頼関係という面では、女性が活躍しやすい科でもあると思います。摂食障害の方など女性の入院患者さんが多いので、同性の医師の方が、早くスムーズに信頼関係を築けるケースも多い。女性であることが診察上のアドバンテージになることは多いと感じています。

医学が発達した今、必要な根本的医療

伊津野 患者さんが自分で治っていく力を引き上げる信頼関係。これが結局愛着ともつながってくると思うのですが、よりうまくなるために勉強することはたくさんあるなと実感しています。医学生は心理学は学ばないので、知識も経験も心療内科に入って初めて触れることばかり。

田中 だからこそ、教育体制が整っている九大で、丁寧に指導してもらえるのはありがたいですよね。しかも医局だけでなく、病棟も看護師さんも一緒になって支えてくれる体制が心強いです。

末松 ナースカンファも頻繁にやっているし、合同カンファも他科より多いと思います。看護師さんや心理士さんとも意思の疎通があり、しっかりとした連携がある。心理士さんの存在は私たちにとっても特殊で大きいものです。

田中 信頼関係を築くことがベースにある科ですからね。色んな薬を飲んでも良くならないと嘆いていた人が、ここにきたことで良い信頼関係を築けて、服薬ではなく心理療法で良くなった。そういうことは実際によくあるんです。

大杉 一般の病棟や病院で困っている人が、ここに来たことでよくなる。だから、そういう患者さんたちに向き合いたいと思う人は、心療内科に向いてますよね。

田中 現在は医療テクノロジー的な面は発展しているけど、同時にもっと基本的な、昔からある信頼関係による治療というものが存在します。そういうものを考えて、追求したい人にぜひ来てほしいですね。

伊津野 医学が発展して、薬がいっぱいできて、一見治ったように見える人が最近は増えているんだと思います。表面の症状は薬で抑えられているから、治ったように見えて、実際その背景はぐちゃぐちゃのまま。でも大事なのは根っこの部分から治すことですよね。医学が進歩した今だからこそ、そういう根本的な部分を拾い上げていくことが、最近の医療で大切なことだと思います。

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