研究内容

臨床研究

慢性疼痛に関する既存資料を用いた共同後ろ向き観察研究

はじめに

通常の治癒期間(3ヶ月~6ヶ月)を超えて続く長引く痛みを慢性疼痛と言います。 痛みそのものの苦痛だけでなく生活や心理面へも影響をおよぼすことがあります。慢性の痛みには身体的な要因に加えて、心理・社会的な様々な要因がからむと治りにくくなることが過去の研究からわかってきました。そこで私たちは、慢性の痛みをもつ患者さんのアンケート結果およびカルテに記載されている検査結果を分析することにより、慢性の痛みやその合併症の原因や予防法および効果的な治療法を明らかにしたいと考えています。

対象

2001年4月1日から2025年3月31日までに九州大学病院の心療内科、麻酔科、歯科、精神科を受診した慢性の痛みを有する方のうち、約5000名を対象にいたします。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。

研究内容

この研究では患者さんに過去に通常診療の中で受けていただいたアンケート結果や診察所見、自律神経機能検査結果を研究のデータベースに保存し解析を行います。詳しくは、疼痛(診察所見、臨床診断、疼痛部位、羅病期間、痛みの質、程度)、生活障害、睡眠障害、精神状態、消化器症状、QOL、パーソナリティ、認知様式、生育歴、対人交流様式、痛みの対処法、家族との関係、医師患者関係の情報、および基本的情報(年齢、性別、婚姻状況、家族構成、教育年数、経済状況、仕事、生活習慣、補償の有無、身長、体重、既往歴、治療歴・受診歴)を用います。また、本研究の目的のために共同研究を行う場合があります。

個人情報の管理について

検査結果やカルテに含まれる情報をこの研究に使用する際には、氏名、住所などの個人を特定できる情報を削除し匿名化した上で管理し、個人情報の漏洩に対して厳格な対策を取っています。また、この臨床研究の結果は学会発表や論文での報告などに使用しますが、名前や個人を識別する情報は、報告に当たって一切使用しません。

研究期間

この研究を行う期間は、この研究が許可されてから2025年3月31日までです。

医学上の貢献

本研究により、対象者個人が直接的に受け取ることができる利益はありませんが、集積した多数例の臨床情報を詳細に解析することで、慢性の痛みやその合併症の原因や治療法が明らかとなる可能性があります。それにより将来、慢性疼痛のさらなる治療法、治療薬の開発に役立つと考えています。

研究機関

研究責任者:九州大学大学院医学研究院 心身医学・教授 須藤 信行
研究分担者:
九州大学病院 心療内科・講師 細井 昌子
九州大学病院 心療内科・助教 安野 広三
九州大学大学院医学研究院 心身医学・助教 富岡 光直
九州大学大学院医学研究院 附属総合コホートセンター・助教 柴田 舞欧
九州大学大学院医学研究院 麻酔蘇生学・教授 山浦 健
九州大学病院 麻酔科蘇生科・助教 前田 愛子
九州大学病院 精神科神経科・講師 加藤 隆弘
九州大学病院 脳神経内科・医員 藤井 敬之
九州大学歯学研究院口腔顎顔面病態学・教授 横山 武志
九州大学病院 歯科麻酔科・講師 坂本 英治
九州大学病院 整形外科・教授 中島 康晴
九州大学病院 リハビリテーション科・准教授 川口 謙一
九州大学病院 睡眠時無呼吸センター、口腔総合診療科・特任助教 津田 緩子
(ただし、この他に共同研究を行う研究機関や研究責任者を随時追加する可能性があります。)

連絡先

〒811-8582 福岡市東区馬出3-1-1
九州大学大学院医学研究院 心身医学 慢性疼痛消化器研究室
電話: 092-642-5320
E-mail: hosoi@cephal.med.kyushu-u.ac.jp
担当:九州大学病院心療内科・講師 細井昌子

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研究内容
アレルギー神経生理
慢性疼痛消化器
内分泌
臨床心理
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