研究内容

臨床研究

心療内科受診患者の症状の発症や持続憎悪に関する観察研究

はじめに

心療内科を受診する患者さんの症状は、身体的な要因に加えて、心理・社会的な様々な要因がからむと治りにくくなることが過去の研究からわかってきました。そこで私たちは、慢性の症状をもつ患者さんのアンケート結果およびカルテに記載されている検査結果を分析することにより、心療内科を受診する患者さんの症状やその合併症の原因や予防法および効果的な治療法を明らかにしたいと考えています。

対象

2001年4月1日から2016年3月31日までに九州大学病院の心療内科を受診した方のうち、約2000名を対象にいたします。

研究内容

この研究では患者さんに過去に通常診療の中で受けていただいたアンケート結果や診察所見、自律神経機能検査結果を研究のデータベースに保存し解析を行います。詳しくは、診察所見、臨床診断、症状の部位、症状の程度、羅病期間、生活障害、睡眠障害、精神状態、QOL、パーソナリティ、認知様式、生育歴、対人交流様式、ストレス対処法、家族との関係、医師患者関係の情報、および基本的情報(年齢、性別、婚姻状況、家族構成、教育年数、経済状況、仕事、生活習慣、身長、体重、既往歴、治療歴・受診歴)を用います。これらを解析することにより心療内科を受診する患者さんの症状やその合併症の原因や予防法および効果的な治療法を明らかにします。

個人情報の管理について

検査結果やカルテに含まれる情報をこの研究に使用する際には、氏名、住所などの個人を特定できる情報を削除し匿名化した上で管理し、個人情報の漏洩に対して厳格な対策を取っています。また、この臨床研究の結果は学会発表や論文での報告などに使用しますが、名前や個人を識別する情報は、報告に当たって一切使用しません。

研究期間

この研究を行う期間は、この研究が許可されてから平成31年3月31日までです。

医学上の貢献

本研究により対象者個人が直接的受け取ることができる利益はありませんが、集積した多数例の臨床情報を詳細に解析することで、心療内科を受診する患者さんの症状やその合併症の原因や治療法が明らかとなる可能性があります。それにより将来、心療内科を受診する患者さんの症状のさらなる治療法、治療薬の開発に役立つと考えています。

研究機関

研究責任者:九州大学大学院医学研究院 心身医学・教授 須藤 信行
研究分担者:
 九州大学病院医学研究院 心身医学・講師 吉原 一文
 九州大学病院 心療内科・診療講師 高倉 修
 九州大学病院 心療内科・助教 波夛 伴和
 九州大学病院医学研究院 心身医学・助教 富岡 光直
九州大学病院 心療内科・技術職員 野口 敬蔵
 九州大学病院 心療内科・医員 平林 直樹
 九州大学大学院医学系学府心身医学分野・大学院生 江藤 紗奈美

連絡先

〒811-8582 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学病院 心療内科 
   電話: 092-642-5335
   担当:九州大学病院医学研究院 心身医学・講師  吉原一文

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