学生・研修医の方へ

座談会

CROSS TALK 01

入局したそれぞれの理由

MEMBER

  • 末松 孝文

  • 伊津野 巧

  • 大杉 康司

  • 平 加奈子

  • 田中 貫平

「人材の多様性」も心療内科の魅力

末松 自分はもともと人の心に興味があって…学生時代から映画作ったり脚本書いたりしてたんで、人の心の動きとかに興味があったんです。九大の5・6年生の頃には心療内科って決めていました。他科もまわりましたけど、私は心療内科が、患者さんとの距離の近さや患者さん本人と向き合っている感覚がフィットしました。

その「距離の近さ」みたいなものは、私もすごく感じます。出身は長崎大学で、最初は研修で来たんですが、心理療法や、薬を使わない行動療法なども、心療内科の方がやっている印象です。やっぱり患者さんの近くにいたいという想いが、入局の一番の動機です。

田中 父が精神科医なんですが、私はマインドフルネスとかに興味があって、心理療法全般を学びたくて、心療内科に行き着きました。

末松 田中先生は、この中では一番遠方から来てますよね。

田中 そうですね。大学はイギリス、初期研修は札幌でした。いろんな大学を見ましたが、ここはベッドの数や症例の種類も一番だと思います。先生方もみんな熱心で、やるなら九大しかないと、本州を飛び越えてきました。

伊津野 僕はみんなと少し違って、臨床より研究メイン。もともと脳に興味が…認知とか情動とか脳の高次機能に興味があって。それで、6年生の夏に、全国の大学から集まる心身医学のニューロサイエンス研究会に誘われて、行ってみたらすごく面白くて、こういう研究をしたいと思いました。

大杉 伊津野先生の動機は、興味深いですね。みんな動機も経歴も違って、この多様性は心療内科ならではだと思います。

伊津野 そういう大杉先生も、ちょっと珍しいパターンですよね。以前は小児科医だったとか。

大杉 10年ほど、小児内分泌の分野で1型糖尿病という慢性疾患を持つ子どもたちの診療をしていました。血糖値の調整がうまくいかない子たちには、自分なりに結構時間をかけて、どうやったら改善するのか一緒に考えたり、知識を伝えたりしていたのですが、思うように効果が上がらないこともあって…でもその時は自分のやり方が間違っているのかどうかも分からない。そんな状態で悩んでいたときに、知り合いの先生に相談したら心療内科についての話をお聞きして、「そういう診かたもあるんだ」と驚きました。その先生は以前九大の心療内科で同じように2年間研修されていた先生で、これはもう私も九大心療内科に行くしかないと。

他科にはない寄り添うアプローチ

大杉 まだ入局して1年ほどですが、私も小児科医の頃と比べてかなり変わりました。九大の心療内科に入院されている患者さんは色々と複雑な背景を抱えている人が多いとは思いますが、診療の仕方はどんな患者さんにも共通するのかなと感じてもいます。たとえば、いわゆる普通に見える人でも、なんらかの問題は抱えている可能性があって、そこを今までと違う新しい方向からアプローチする必要性というものをすごく感じています。糖尿病の患者さんももちろん、内科全般の患者さんを診る上でも診察の仕方が変わってきたというか。

確かにそれは感じます。内科も含めて診る場合もありますから、心身相関というかどっちも診られるのがいいですよね。初期研修の1年目から精神科・心療内科の重要性を感じていて、同時に内科も診れたらいいなと思っていたので、だったら私の進路は内科も診れるようになれる心療内科かな、と傾いたところもありました。

伊津野 僕は6年生のクリクラの時は総合診療科に興味があって、心療内科のスキルは必ず役に立つと思って選んだんです。その時の指導医が副科長の細井先生で、おかげで人の心の奥深さを知り、ガッツリこの世界に。さっき田中先生も言ってましたが、心療内科の先生は本当に熱心な方が多いです。

末松 私も6年生の時のクリクラで心つかまれました。

大杉 「自分が学びたかったことはこれだ」というのを日々感じています。新しく学べることがたくさんあるので、頑張り甲斐がありますね。

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